top of page

島外での出産を「新しい世界への扉」ととらえて【産めない島の産声ストーリーvol.2】

  • 執筆者の写真: しまの授乳室事務局
    しまの授乳室事務局
  • 9月19日
  • 読了時間: 3分

2025年春、第一子の妊娠がわかったBさん。大阪府出身で上五島に移住した30代の女性です。妊娠の喜びと同時に、不安もありました。「上五島病院で出産できない」と告げられたからです。

そんな彼女から、県外への里帰り出産と初めての妊娠・出産への想いを伺いました。

ree

里帰りも視野に、という提案があり

妊娠がわかったとき、妊婦検診で「上五島病院で産めなくなるかも」という可能性を聞いたBさん。「里帰り出産も視野に」と上五島病院からの提案を受け、ふるさとである大阪府の産院での出産を考え始めました。

 

産院は、どうやって選びましたか?

Bさんには産院の希望する条件が3つあったそうです。

  • 実家から近い

  • 無痛分娩ができる

  • 評判がいい

この3つを満たした産院が1件見つかりました。「実母が以前受診した経験があり、その安心感も後押しになりました。」

ree

里帰りスケジュールは?

大阪の産院からは「34週ごろに一度来院してください」と言われているそう。ただBさんは、その週数より早めに大阪へ帰る予定です。理由は10月からの上五島病院の診療体制。

「10月から産婦人科は週2日のみの診療で、常勤の医師も不在になると聞いています。お腹が大きくなる時期に、体制の整った病院の近くで安心して出産を待ちたいと思い、10月に大阪へ戻ることを決めました。」

 

もし上五島で産めるのであれば

心のうちは、上五島で出産したかったとBさんは語ります。理由は周囲のサポートと仕事のこと。「大阪に戻っても、母はフルタイム勤務で昼間は家に一人。上五島なら夫や夫の両親、友人・知人のサポートもあり、安心して子育てを始められたかも。仕事についても、上五島で出産できればもっと長く働けたのでは…」そんな風に考えることもあるようです。

 

里帰り中の楽しみは?

しかし心待ちにしていることも。「楽しみにしているのは、大阪にいる95歳になる祖母に赤ちゃんを会わせられること」とBさんは笑顔で語ります。それはもし上五島で出産していたら難しかったことのひとつ。筆者も思わず共感しました。


誤算もありました―お金と離島ならではの壁

「ただ、誤算もありました。」とBさんは語ります。

 

ree

●お金のことの誤算

・県外での妊婦検診は、長崎県の妊婦健診の補助券が使えないこと(一時的に全額負担)。

・産院の予約金や交通費も立て替えが必要な場合があること。

 

●離島ならではの誤算

・妊婦健診で少しでも引っかかると長崎本土で受診することになること。

・船の移動でお腹が張ったり、一日がかりで仕事に支障が出たりなど困ったこと。

 

これから迎える出産と上五島での育児への想い


「大阪での出産と上五島に戻ってからの育児には不安がないわけではないけれど、私自身『新しい世界を知りたい』という気持ちが強いタイプ。大好きな海や自然の中で、我が子にはのびのびと育ってほしい、好奇心やチャレンジする気持ちを持ってほしいと願っています。」

ree

これから始まる出産と上五島での育児は、Bさんにとっての「新しい世界」。きっと明るい未来が広がっているはずと予感させるようなBさんの明るさとポジティブな雰囲気が心に残るインタビューの時間でした。Bさんありがとうございました。

コメント


bottom of page