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しまの授乳室が考える新しい分娩プラン【上五島病院分娩休止10/19の説明を受けて勝手に考えたこと】

  • 執筆者の写真: しまの授乳室事務局
    しまの授乳室事務局
  • 10月22日
  • 読了時間: 4分
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2025年10月19日(日)上五島病院の分娩休止に伴う住民説明会が開催されました。この回で3回目となる説明会。しかし、今回の説明会はこれまでのものとはまるで違っていました。

なぜなら、これまで公表されなかった次の情報について正式に発表があったためです。


上五島の妊婦さんが本土で出産する場合、長崎県内の4つの医療機関から選ぶように。

(長崎大学病院、長崎医療センター、佐世保総合病院、長崎みなとメディカルセンター。個人のクリニックは不可)


上五島病院が分娩を休止したのは9月末。助産師の数も足りず常勤医師もいない状況で安心安全のお産を実現するためと説明を受け、本土で出産することをどうにか前向きに捉えようと島のプレママたち、ママたちが考え続けてきました。


「本土で出産するなら、分娩方法の選択肢が広がるよね」

「(個人のクリニックなら)リッチなごはんが楽しみだよね」

「知り合いがいるクリニックでお産できるのは安心」


不安はもちろんあるけれど、「上五島ママのおしゃべり会」ではこんな話で励ましあったのです。


しかし今回は、上五島で産めないだけでなく、産む場所も4つの大きな病院でしか出産できないという発表がされたのです。

語り合う上五島のママたち
語り合う上五島のママたち

なぜ4つの病院から選ばなければならないの?


病院側からは、「緊急時、病院間の連携や情報共有をよりスムーズにし、命を守ることを最優先とするため」と説明を受けました。

「上五島の妊婦さんは、常勤医師が島にいないため、みんな『ハイリスク妊婦』とみなされる」そんなショッキングなコメントも。


確かに「母子ともに無事で、産まれてくる新しい命」のために安心、安全が第一であることは理解できます。これまでもリスクがあり大きな病院を紹介された島の妊婦さんももちろんいます。しかし今回は、どんな妊婦さんであれ、みな大きな病院でしか出産できないといわれてしまい…


  • 総合病院では出産費用が高くなるよね?(正常分娩の場合ベッド代等含まず50~85万円と聞きました)

  • 上五島の妊婦と言っても、上五島出身者、県内出身者、県外出身者…妊婦の属性によって不平等感が生じているのでは?(県外里帰りの場合はこの限りではない?)

  • 長崎県のほかの離島自治体や分娩空白自治体との差があるのでは?


そんな疑問は解消できていません。

定住しているにせよ、転勤等でこちらに移住されたにせよ、上五島を好きで移住されたにせよ、「上五島の妊婦」というだけで自由に分娩する場所を選べない。それはどうなのかしら。


しかも、これから個人クリニックで出産予定だったはずの島の妊婦さんが、突然この4つの病院へ変更するように病院側から求められています。(個人のクリニックへの紹介状は用意されない)

以前取材をしたAさんも佐世保の個人クリニックから大きな病院への変更を求められているとのこと。彼女の怒りや不安はごもっともで、説明会でも今妊娠期間にあるママたちとそのご家族が「どうして?」と疑問を解消できずにいる様子が伝わってきました。

本土で4人目の出産を控えている
本土で4人目の出産を控えている

都会では無痛分娩にお金出しますよ!というところもあるのに、上五島は産むこと自体のハードルがどんどん高くなっていく。

だけど私たちは、さまざまな選択肢から自分たちが納得のいく形を選んで新しい命を迎えたいのです。


しまの授乳室が素人なりに考えた分娩プランは


説明会では、


病院側は「安全安心のために周産期医療センターで分娩して欲しい」

妊婦さんとご家族は「費用面やサポートの充実度から個人クリニックを選びたい」


というそれぞれの立場での意見があることはわかりました。


もし、この意見の折衷案があるとしたら?


●妊娠初期〜36週(妊婦は上五島に住んでいる)

上五島病院と周産期医療センターとで妊婦健診を受診。


●36週ごろ(妊婦は本土へ渡る)

これまでの妊娠期間で分娩にリスクがありそうな、なさそうか判断。


おおむね大丈夫そう→個人クリニック選択可

ちょっとリスクあるかも→周産期医療センターで分娩


病院側が安心安全を確保したいリスクのある状況が「常勤医師がいない上五島」だとしたら「妊婦が36週以降本土に渡った後って、本土の妊婦さんと地理的なリスクって変わらないのでは?と感じています。


ということは、妊娠初期〜36週ごろまでは上五島病院と周産期医療センターで検診を受けて、36週ごろに分娩場所を決めるというのは難しいのでしょうか。

妊娠経過に問題がなく、個人のクリニックで分娩可能。もしくはちょっと問題がある場合は周産期医療センターで分娩と36週ごろまでにに判断するではダメでしょうか。


みんなが納得のいく形で、新しい命を迎える喜びを噛み締められる未来に期待しています。

上五島のお産の未来に期待!
上五島のお産の未来に期待!


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